ごっちゃになる用語を整理する【その2】
皆さん、こんにちは。
ごちゃごちゃ用語を整理する、第2弾です。
なかなか正確には答えづらいところではありますが、少しでも参考になればと思います。
テタニー vs.ミオパチー
テタニー
末梢神経レベルで起こる。血液中のカルシウム濃度が低下し、末梢神経の興奮性が高まり、筋肉の持続的な硬直をきたすもの。この場合、口の周りや手足の先端のしびれ感を伴うことがよくある。
例)
副甲状腺機能低下症の方で「体調悪いときにはテタニーが仕事中に起こるから、気になるのよね」とおっしゃっていた方もいらっしゃいます。
ミオパチー
ミオパチーとは、筋肉の疾患の総称。遺伝的な原因で起こるものとして、筋肉の病理像に特徴的がある先天性ミオパチーや、なんらかの代謝の障害によって起こる代謝性ミオパチーがある。
例)
テタニーvs.ミオパチーは、そもそも言葉の枠組みが違いました。
テタニーは過換気症候群でも出てくるというのは、初めて知りました…
チアノーゼ vs. レイノー
チアノーゼ
口唇、顔面、または爪床の青みがかった変色
チアノーゼには脱酸素化のヘモグロビンが少なくとも5g/dLであることが必要とされるため、動脈血酸素分圧が低下(<85%)している可能性がある(注:多血症などの場合は例外である)。チアノーゼがみられないからといって低酸素血症が除外されるわけではない(注:貧血などの場合)。
レイノー
レイノー現象とは、発作的に手足の血の流れが悪くなって、皮膚の色が蒼白または紫色(チアノーゼ)になり、痛み、冷感、しびれ感を自覚し、次いで血液の流れが回復すると、逆に充血し赤くなる現象。
身体全体や手足が冷たい空気や水などにさらされたり、強い精神的緊張やストレスなどが引き金となり、手足の細い動脈の強い収縮が起こることによって生じる。
レイノー現象には原因不明のもの(レイノー病と呼びます〉と何か他の病気があって起きる場合(レイノー症候群と呼びます)の2つに分けられる。
レイノー症候群
- 動脈硬化などによって血管の内腔が狭くなる場合(器質性動脈疾患)
- 振動工具、ピアノ、タイプなどの反復使用による局所の外傷
- 手指などに分布する神経や血管が肩の部分で骨や筋肉などによって圧迫される場合(神経血管症候群)
- 未梢神経炎などの神経障害
- 薬物や重金属(鉛、砒素など)
- 甲状腺や膵の腺腫などの内分泌障害
- リウマチ膠原病
- 赤血球増多症や異常蛋白など血液成分の異常、など
チアノーゼ:指先が紫、低酸素血症(全身症状)
レイノー :指先が蒼白→紫→赤、手足の細動脈収縮(手足のみ)
…ということでした。
チックvs.ミオクローヌス
チック
異常な運動と音声を含み、両方存在する場合にはトゥレット症候群という。発作性であり、一度きりではミオクローヌスと判別がつかないが、肩をすぼめる、顔をピクつかせるなどの反復性がみられる。前駆症状として感覚チック(不快感、異常感覚)があり、チックにより軽減する。
ミオクローヌス
重症度および分布が変動する可能性がある、電気ショック様の短時間の筋収縮である。
ミオクローヌスは生理的な場合(例,吃逆、睡眠関連筋収縮(寝入りばなに手や足がピクっとする運動))、または様々な脳疾患、全身性疾患、もしくは薬剤に続発する場合がある。
(薬剤に続発する場合:抗ヒスタミン薬、カルバマゼピン、セファロスポリン系薬剤、レボドパ、リチウム、MAO阻害薬、オピオイド(通常は用量依存性)、ペニシリン、フェニトイン、三環系抗うつ薬、SSRI、バルプロ酸)
代謝性害(肝不全、尿毒症など)が原因であればそれを是正し、必要な場合は症状を和らげるために薬剤(例、クロナゼパム、皮質性の場合にはバルプロ酸、レベチラセタム)を投与する。
チックは発作性で反復性、前駆症状有、睡眠時にはない、
ミオクローヌスは断続性、前駆症状なし、一部は睡眠時にも起こる
…というところでしょうか。
いかがでしたか?ミオパチーとミオクローヌスも「ミオ」つながりでごっちゃになりそうでした。
不随意運動については、参考6の文献が網羅性が高くて、こんなにたくさんあるんだと驚きました。
では、また~。
参考